大阪地方裁判所 昭和59年(ワ)6495号 判決
一 請求原因1(原告が本件実用新案権を有すること)及び同2(本件明細書の実用新案登録請求の範囲の記載)の各事実は、当事者間に争いがない。
二 そして、同3(本件考案の構成と作用効果)についても、右争いのない実用新案登録請求の範囲の記載と成立に争いのない甲第一号証(本件公報)によれば、本件考案は、原告主張の構成要件(イ)ないし(ハ)から成る釣竿の考案であるということができるものであり(このことは被告も争つていない。)、原告主張の(イ)ないし(ヘ)の作用効果を奏するものとして考案されたものであることが認められる。
三 請求原因4(被告が業として被告製品を製造し、販売していること)については、当事者間に争いがなく、同5(一)、(二)(被告製品の技術的構成と作用効果)のうち、同(一)(被告製品の技術的構成)についても争いがない。
四 そこで、以下、同5(二)(被告製品の作用効果)の点の確定はしばらく措き、同6(本件考案と被告製品との対比)につき検討する。
1 右一ないし三に判示したところに照らすと、被告製品は、釣竿であつて(争いがない)、その構成(イ)は、本件考案の構成要件(イ)を充足するということができる。
2 そこで、以下、本件考案の構成要件(ロ)と被告製品の構成(ロ)の対比につき検討する。
(一) 原告は、本件考案に係る釣竿には、一本竿と継竿の両方が含まれる旨主張するところ、前掲甲第一号証により、本件考案の登録請求の範囲の記載や考案の詳細な説明をみても、本件考案の対象である釣竿を一本竿又は継竿のいずれか一方に限定したものと解すべき理由は認められず、本件考案にいう釣竿には、原告主張のとおり一本竿と継竿の両方が含まれるものと解するのが相当である(このことについては被告も格別争つていない。)。
(二) しかしながら、原告が、本件考案の構成要件(ロ)において「……高強度繊維糸を、……前記ロツド本体の一端から他端まで連続して……巻装し……」というときの右巻装の対象となる「ロツド本体」とは、継竿の場合には、これを構成する穂先、中間竿、元竿等各セクシヨンのそれぞれの「ロツド本体」を意味することになるということについては、にわかに賛同しえない。
(1) 原告が右のごとく主張する根拠は、本件考案のクレームには、「ロツド本体」の構成に関し「高強度繊維に、合成樹脂を含浸したプリプレグにより中空状に形成する」旨の限定はあるものの、継竿の場合に「……高強度繊維糸を、……巻装……」する対象としての「ロツド本体」を継ぎ合わされて伸長された状態での釣竿全体の「ロツド本体」と解さなければならないような限定文言が存しないということと、継竿は、元来が、穂先、中間竿、元竿等の各セクシヨンを、順次、着脱自在に嵌入結合して釣竿とするものであり、継竿全体を切れ目のない一連の高強度繊維糸で連続して巻装することは不可能であつて、高強度繊維糸の巻装も右各セクシヨンごとになされざるを得ないということにあるところ、前記争いのない本件考案のクレームの記載に照らすと、本件考案のクレームのなかに、そこにいう「ロツド本体」とは釣竿全体の「ロツド本体」のことであるというように明確に定義付けした限定文言が存しないことは事実であり、その意味では、限定文言の不存在をいう右原告の主張も誤りではない。そして、日常一般にみられる継竿の多くが、穂先、中間竿、元竿等の各セクシヨンを、順次、着脱自在ないし伸縮自在に嵌入結合して釣竿とするものであることからすれば、継竿全体を切れ目のない一連の高強度繊維糸で連続して巻装することは不可能であり、高強度繊維糸の巻装も右各セクシヨンごとに行われざるを得ないとする原告の主張も、そのこと自体としては、首肯しうるものであるというべきである。
(2) しかしながら、右のような限定文言がないということ自体が、クレームにいう「ロツド本体」を原告主張のごとく解さなければならないとする積極的な根拠にならないことは多言を要しないところであり、高強度繊維糸の巻装が各セクシヨンごとに行われざるを得ないということも、クレームにいう「ロツド本体」の意味を考えるうえでの一解釈資料ではあろうが、原告主張の解釈以外の解釈を許さぬような決定的な資料であるとはいい難い。
(3) しかし、他面、前記クレームの記載をみても、そこにいう「ロツド本体」の意味が、二義を許さぬ程に明確であるとまでいえないことも事実であり、結局、右の「ロツド本体」の意味は、クレームの記載のほか考案の詳細な説明欄に示されている考案の目的、作用効果等を参酌して決せられるべきことになるというべきところ、本件考案が原告主張のとおりの作用効果を奏すべきものとして考案されたものであることは前示のとおりであり、前掲甲第一号証によれば、被告が、本件考案の目的、従来技術の問題点、本件考案の特徴として指摘するところ(被告の主張1(一)、(二)参照)及びその他本件公報の記載として引用するところには、格別、誤りとすべきところはないものと認められる。
(4) そこで、これら本件考案のクレームの記載、考案の目的、作用効果等に照らしてみるに、被告が、クレームにいう「ロツド本体」とは釣竿全体の「ロツド本体」のことであるとして指摘するところ、すなわち本件考案に係る物品は、考案の名称が示すように「釣竿」であるところ、クレームには「……高強度繊維糸を……結合して成る釣竿」と記載されているほか、「考案の詳細な説明」欄においても、「本考案は……釣竿に関するもので、その目的は釣竿として要求される物性、即ち長さ方向の曲げに対する強度、……が極めて高く……それでいて……高弾性の釣竿を提供するにある。」とか「……本考案によれば、……高強度繊維層によりロツド本体全体の曲げ強度を均一に……強化することができ……釣竿全体の曲げ強度を充分に、かつ所望の強さに強化できる」等と記載されていて、本件考案が釣竿全体を対象としたものであることは明白であり、こうした点からすれば、クレームにいう「ロツド本体」を釣竿全体の「ロツド本体」のことと解すべきことは明らかであり、この理は継竿の場合でも何ら変わりはないとする点には、その理由付けとして主張するところも含め、一応、首肯するに値するものがあると考えられる。
(5) そこで、以上にみてきたところに照らし、原、被告双方の主張の当否につき考えるに、原告が、「継竿の場合、ロツド本体とは、各セクシヨンそれぞれのロツド本体を意味する」というときの意味が、継竿を構成する元竿、中間竿等のうちのどの一つ(どのセクシヨン)をとつてもそれぞれがロツド本体であり、この場合、総合的にみて釣竿全体が考案の対象になつているという意味であれば、原告主張のごとき解釈も成り立ちえないものではないであろうが、釣竿全体が考案の対象になつているとみる以上、被告のように理解する方が、一本竿の場合とも共通し、その指摘に係るクレームの文言、「考案の詳細な説明」欄の記載等にも、よりよく整合するものと考えられるので、「……高強度繊維糸を、……巻装……」する対象としてみた場合のクレームにいう「ロツド本体」とは、一本竿の場合はもちろん、継竿の場合であつても継ぎ合わされ伸長された状態での釣竿全体の「ロツド本体」のことであると解するのが相当である。継竿の場合、これを各セクシヨンの「ロツド本体」のことと解すべきであるとする原告の主張は、たやすく採用できない。
(三) そこで、以下、これを前提として、構成用件(ロ)において「……高強度繊維糸を、……前記ロツド本体の一端から他端まで連続して……巻装し……」というときの「一端から他端まで」の意味を検討するが、本件考案が、穂先部分については、必ずしも高強度繊維糸の巻装を必要としていないことは、原告が指摘する本件考案の詳細な説明欄の記載(前掲甲第一号証)から明らかであり、当事者間にも争いのないところである。そうすると、右の「一端から他端まで」を文字通り釣竿の穂先の先端から手元の後端までと解さねばならない理由はないというべきであるが、さらに、これを具体的にみた場合、右の「一端から他端まで」とは、穂先の部分は別として、「ロツド本体」のどこからどこまでの部分をいうことになるのかが検討されなければならない。
(1) しかるところ、原告は、ここでも、継竿の場合、継ぎ合わせる各セクシヨンごとのロツド本体を切れ目のない一連の高強度繊維糸で連続して巻装することが不可能なことを前提とし、嵌合継手部分と嵌入継手部分の継ぎ合わせを可能にし、また二重構造になり割れを生じやすくなる接合部にそれ以外の部分とは異なる補強手段を施すために、接合部に高強度繊維糸を巻装しないことも、本件考案が当然の前提とするところであるとし、構成要件(ロ)にいう前記ロツド本体の「一端から他端まで」とは、継竿を構成する右各セクシヨンの接合部すなわち嵌入継手部分と嵌合継手部分以外の部分の端から端までの意味であると主張する。
(2) たしかに、継竿の場合、継ぎ合わせる各セクシヨンごとのロツド本体を切れ目のない一連の高強度繊維糸で連続して巻装することが不可能であり、接合部が二重構造になるためその部分で割れが生じやすくなり接合部にはそれ以外の部分とは異なる補強手段を施す必要があることは原告主張のとおりであろうが、だからといつて、右「一端から他端まで」の意味を原告主張のように解したのでは、本件公報の「考案の詳細な説明」欄において、実施例に関する説明であるとはいえ、わざわざ「前記継ぎ竿においてその接合部には径の大小如何に拘わらず、前記繊維層2を密に形成する」旨の説明がなされ、また、本件考案の効果に関し「……本考案によれば、……高強度繊維層によりロツド本体全体の曲げ強度を均一に……強化することができ……釣竿全体の曲げ強度を充分に、かつ所望の強さに強化できる」等の説明がなされていることを理解しにくくなること、これらの記載は、むしろ、接合部である嵌合継手部分と嵌入継手部分にまで高強度繊維糸が巻装されることを当然の前提としているものであると考えた方が、より理解しやすいこと、さらに、原告主張のごとく継竿の接合部に限つてではあるにせよ、その補強手段を従来技術によつてもよいとしたのでは、釣竿全体としては、結局、コスト高となり生産管理が煩雑になつて、こうした従来技術の欠点を解消しようとした所期の目的を達し難くなること、以上のような点は、いずれも被告が指摘するとおりであると考えられる。そして、前示のごとく、クレームにいう「ロツド本体」を、継竿の場合であつても、継ぎ合わされて伸長された状態の釣竿全体の「ロツド本体」のことであると解する以上は、ここにいう「一端から他端まで」とは、右の意味の「ロツド本体」すなわち接合部(嵌合・嵌入の両継手部分)を含む継竿全体の「一端から他端まで」のことであると解した方がより自然なことも、多言を要しないところであろうと考えられる。
(3) 以上のような考察と、前示のとおり、穂先の部分については、必ずしも高強度繊維糸の巻装を必要としないと解されることからすれば、結局、右にいう「一端から他端まで」とは、継竿の場合、一本竿の場合と対比していえば、継ぎ合わされて一杯に伸長された状態での各セクシヨンの接合部を含む穂先部分以外の全体の一端から他端までを意味することになると解するのが相当である。
(四) そこで、次に、構成用件(ロ)において「……高強度繊維糸を、……前記ロツド本体の一端から他端まで連続して……巻装し……」というときの「連続して」の意味について考えるに、継竿の場合、その全体を切れ目のない一連の高強度繊維糸で連続して巻装できないことは明らかであるから、右にいう「連続して」とは、各セクシヨンの接合部すなわち嵌入継手部分に巻装された高強度繊維糸と嵌合継手部分に巻装された高強度繊維糸が全部的又は一部的に重合するか、どんなに少なくとも右巻装部分が切れ目なく接続し、釣竿全体としてみた場合に連続状態になることを意味すると解するのが相当である。
(五) なお、以上のように解した場合、継竿の接合部は、前示のとおり二重構造になり他の部分とは異なつた条件になると考えられるから、果してこのような構造をもつ継竿全体に対し、本件考案のいう「高強度繊維層によりロツド本体全体の曲げ強度を均一にかつ確実に強化し」、「ロツド本体に自然な反りを与える」という効果を付与することができるのかどうか、このような効果は、継竿の場合、これを構成する各セクシヨンの中間部分についてのみいえることではないかとの疑問がないわけではない。しかし、前掲甲第一号証によれば、本件考案は、「テープ状の高強度繊維糸を、粗ピツチでかつ、前記ロツド本体の一端から他端まで連続してあや巻状に巻装して高強度繊維層を形成」し、しかも右高強度繊維層のピツチをロツドの径の変化に応じて変化させ、継竿の接合部には高強度繊維層を密に形成するという技術手段を採用することによつて、継竿の接合部を含む釣竿の全体について前記の作用効果を奏することを意図したものであることが認められ、かかる点からすれば、接合部の補強も、そこに示されているように、できるだけその他の部分の強化手段と同一手段である高強度繊維糸の巻装によつて対処した方が、これとは全く別の従来方法等で行うよりも右効果を実現しやすいのではないかと考えられることを考慮すると、上記疑問も前記判断を左右するには足りないというのが相当である。
(六) そこで、被告製品をみるに、別紙(一)ないし(七)の記載から明らかなとおり、被告製品はいずれもAないしEの五個のセクシヨンから成る継竿であり、そのうち穂先(E部)を除く元竿A部及び中間継竿BないしD部の各セクシヨンについては、それぞれのセクシヨンの中間部分1cの外周面には、「芳香族ポリアミド繊維フイラメント糸を引揃えてこれにエポキシ樹脂を含浸させた薄い幅狭テープを粗ピツチで、連続する綾巻状に編組して巻きつけた芳香族ポリアミド繊維層2を形成し」ているが、嵌合継手部分1aと嵌入継手部分(元竿A部については握持部分)1bの外周面にはこのようなあや巻状の芳香族ポリアミド繊維層は形成されていない。そして、被告製品は、いずれも、各セクシヨンの嵌合継手部分と嵌入継手部分とが振出形式に係合されているものであるから(別紙(一)ないし(七)の各二の(一)釣竿全体の構造欄参照)、釣竿を一杯に伸長させたときには、別紙(一)ないし(七)の各図面第1図を見れば明らかなとおり、ロツド本体の外周面に高強度繊維糸をあや巻状に巻装して形成させる高強度繊維層は、中間継竿BないしD部の各嵌合継手部分1aの部分には存在せず、釣竿全体として見れば、右の部分において高強度繊維層の連続を欠く状態になつていることが明らかである。
(七) 以上によれば、被告製品の釣竿は、いずれも本件考案の構成要件(ロ)の「……高強度繊維糸を、……前記ロツド本体の一端から他端まで連続して……巻装し……」との構成を欠くものといわざるを得ない。
したがつて、被告製品は、いずれも本件考案の構成要件(ロ)を充足せず、その技術的範囲に属しない。
五 よつて、原告の請求は、その余の点につき判断するまでもなくいずれも理由がないから、棄却することとする。
〔編註その一〕本件における実用新案権は左のとおりである。
考案の名称 釣竿
出願日 昭和五一年一二月二八日(前特許出願日援用、実願昭和五五―一七〇〇四八)
公告日 昭和五八年一一月九日(実公昭五八―四九一〇五)
登録日 昭和六〇年一二月二五日
登録番号 第一六二一七五三号
〔編註その二〕本件考案の実用新案登録請求の範囲は左のとおりである。
「高強度繊維に、合成樹脂を含浸したプリプレグにより中空状に形成するロツド本体の外周面に、長尺の高強度繊維のフイラメントを集束しかつ、前記プリプレグに含浸した合成樹脂と同系統の合成樹脂を含浸させたテープ状の高強度繊維糸を、粗ピツチでかつ、前記ロツド本体の一端から他端まで連続してあや巻状に巻装して高強度繊維層を形成し、前記ロツド本体と高強度繊維層とを該高強度繊維層が、ロツド本体の外表面から段状に突出するごとく前記合成樹脂により一体的に結合して成る釣竿。」
〔編註その三〕本件考案の構成要件は左のとおりである。
釣竿であつて、
(イ) 高強度繊維に、合成樹脂を含浸したプリプレグにより中空状に形成するロツド本体の、
(ロ) 外周面に、長尺の高強度繊維のフイラメントを集束しかつ、前記プリプレグに含浸した合成樹脂と同系統の合成樹脂を含浸させたテープ状の高強度繊維糸を、粗ピツチでかつ、前記ロツド本体の一端から他端まで連続してあや巻状に巻装して高強度繊維層を形成し、
(ハ) 前記ロツド本体と高強度繊維層とを該高強度繊維層が、ロツド本体の外表面から段状に突出するごとく前記合成樹脂により一体的に結合して成る。
〔編註その四〕本件に関する別紙は左のとおりである。
イ号製品説明書
一 図面の説明
第1図は釣竿全体の正面図、第2図は第1図A部(元竿)の拡大正面図、第3図ないし第5図は第1図B部ないしD部(中間継竿)の拡大正面図、第6図はE部(穂先)の拡大正面図、第7図ないし第16図はA部ないしE部のプリプレグ組み合わせ配置図と分解図である。
二 構造の説明
(一) 釣竿全体の構造
釣竿全体は一つの元竿(A部)と三つの中間継竿(B部ないしD部)及び一つの穂先(E部)とから構成され、その各部の嵌合継手部分と嵌入継手部分が振出形式に係合されている。
(二) 元竿(A部)の構造
カーボン繊維束を経方向に引揃えたカーボン引揃えシートと極薄で粗目に織成したスクリムガラスクロスとを重ねてエポキシ樹脂を含浸した本体プリプレグ21と、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸した補強プリプレグ25a、25bとを形成し、補強プリプレグ25a、25bを内側に、前記本体プリプレグ21を外側とし、かつ、本体プリプレグ21の前記スクリムガラスクロスを内側として捲回し、中空テーパー状のロツド本体1を形成し、このロツド本体1の嵌合継手部分1aには、その最内周に、ガラスクロスプリプレグから成る継手部分内側補強片22を設け、また、握持部分1bの最内周には、後端縁にのみ位置して端縁を補強するカーボンクロスプリプレグから成る後端縁補強片23を設けると共に、前記嵌合継手部分1aと握持部分1bとの間の中間部分1cには、その外周面に、芳香族ポリアミド繊維フイラメント糸を引揃えてこれにエポキシ樹脂を含浸させた薄い幅狭テープを粗ピツチで、連続する綾巻状に編組して巻きつけた芳香族ポリアミド繊維層2を形成し、この繊維層2がロツド本体1の外表面に微隆面を形成(段状に突出)するように、前記エポキシ樹脂で一体に結合し、かつ、この繊維層2の長さ方向両端外周に、ガラスクロスプリプレグから成る押え片26、27を設けている。
(三) 中間継竿(B部)の構造
カーボン繊維束を経方向に引揃えたカーボン引揃えシートと、極薄で粗目に織成したスクリムガラスクロスとを重ねてエポキシ樹脂を含浸した本体プリプレグ21と、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸した補強プリプレグ25とを形成し、補強プリプレグ25を内側に、前記本体プリプレグ21を外側とし、かつ、この本体プリプレグ21の前記スクリムガラスクロスを内側として捲回し、中空テーパー状のロツド本体1を形成し、このロツド本体1の嵌合継手部分1aには、その最内周に、ガラスクロスプリプレグから成る継手部分内側補強片22を設け、また、嵌入継手部分1bの最内周には後端縁部分にのみ位置して端縁を補強するカーボンクロスプリプレグから成る後端縁補強片23を、最外周にはガラスクロスプリプレグから成る外側補強片28を設け、更に、前記嵌合継手部分1aと嵌入継手部分1bとの間の中間部分1cの外周面には、芳香族ポリアミド繊維フイラメント糸を引揃えて、これにエポキシ樹脂を含浸させた薄い幅狭テープを粗ピツチで、連続する綾巻状に編組して巻きつけた芳香族ポリアミド繊維層2を形成し、この繊維層2がロツド本体1の外表面に微隆面を形成(段状に突出)するように前記エポキシ樹脂で一体に結合し、かつ、この繊維層2の長さ方向両端外周には、ガラスクロスプリプレグから成る押え片26、27を設けている。
(四) 中間継竿(C部)の構造
カーボン繊維束を経方向に引揃えたカーボン引揃えシートと極薄で粗目に織成したスクリムガラスクロスとを重ねてエポキシ樹脂を含浸した本体プリプレグ21を形成し、前記スクリムガラスクロスを内側に捲回して中空テーパー状のロツド本体1を形成し、このロツド本体1の嵌合継手部分1aの最内周にはガラスクロスプリプレグから成る継手部分内側補強片22を設け、また、嵌入継手部分1bの内周には後端縁にのみ位置して端縁を補強するカーボンクロスプリプレグから成る後端縁補強片23を、最外周にはガラスクロスプリプレグから成る外側補強片28を設け、前記嵌合継手部分1aと嵌入継手部分1bとの間の中間部分1cには、その外周面に芳香族ポリアミド繊維フイラメント糸を引揃えて、これにエポキシ樹脂を含浸させた薄い幅狭テープを粗ピツチで、連続する綾巻状に編組して巻きつけた芳香族ポリアミド繊維層2を形成し、この繊維層2がロツド本体1の外表面に微隆面を形成(段状に突出)するように、前記エポキシ樹脂で一体に結合し、かつ、この繊維層2の長さ方向両端外周にガラスクロスプリプレグから成る押え片26、27を設けている。
(五) 中間継竿(D部)の構造
カーボン繊維束を経方向に引揃えたカーボン引揃えシートと極薄で粗目に織成したスクリムガラスクロスとを重ねてエポキシ樹脂を含浸した本体プリプレグ21と、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸した補強プリプレグ25とを形成し、補強プリプレグ25を内側に、本体プリプレグ21を外側とし、かつ、この本体プリプレグ21の前記スクリムガラスクロスを内側として捲回し、中空テーパー状のロツド本体1を形成し、このロツド本体1の嵌合継手部分1aの最内周には、ガラスクロスプリプレグから成る継手部分内側補強片22を設け、また嵌入継手部分1bの最外周にはガラスクロスプリプレグから成る外側補強片28を設け、前記嵌合継手部分1aと嵌入継手部分1bとの間の中間部分1cには、その外周面に、芳香族ポリアミド繊維フイラメント糸を引揃えてこれにエポキシ樹脂を含浸させた薄い幅狭テープを粗ピツチで、綾巻状に編組して巻きつけた芳香族ポリアミド繊維層2を形成し、この繊維層2がロツド本体1の外表面に微隆面を形成(段状に突出)するように前記エポキシ樹脂で一体に結合し、かつ、この繊維層2の長さ方向両端外周に、ガラスクロスプリプレグから成る押え片26、27を設けている。
(六) 穂先(E部)の構造
カーボン繊維束を経方向に引揃えたカーボン引揃えシートに極薄で粗目に織成したスクリムガラスクロスとを重ねてエポキシ樹脂を含浸したプリプレグ21と、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸したプリプレグ29とを形成して、これら各プリプレグを捲回して中空テーパー状のロツド本体1を形成すると共に、このロツド本体1の嵌入継手部分外周にガラスクロスプリプレグ外側補強片30を設け、更に、前記ロツド本体1の前端にソリツド状のロツド本体3を結合し、この結合部外周にガラスクロスプリプレグから成る補強片31を設けている。
尚、この穂先におけるロツド本体1及び3の外周には、芳香族ポリアミド繊維層は設けられていない。
(七) ロツド本体中の繊維層を巻装した部分の寸法
元竿A部、中間継竿B部、C部、D部に関して、それぞれのロツド本体1のうち、繊維層2を巻装した中間部分1cの寸法は次の通りである。
単位ミリメートル 元竿(A部) 中間継竿(B部) 中間継竿(C部) 中間継竿(D部)
竿の全長 一〇八〇 一〇九〇 一一〇〇 一一一〇
繊維糸 竿前端からの寸法 一〇〇~一〇五 一〇〇~一〇五 一〇〇~一〇五 一〇〇~一〇五
竿後端からの寸法 一三五~一五〇 二五~四五 二五~三五 二〇~二五
(八) 補強片の具体的構成
元竿A部、中間継竿B部、C部、D部を構成する各ロツド本体1に付設した補強片の具体的構成は次の通りである。
補強片の名称 材質適応竿部 繊維配列密度適用竿部
元竿A 中間継竿B 中間継竿C 中間継竿D 元竿A 中間継竿B 中間継竿C 中間継竿D
経 緯 経 緯 経 緯 経 緯
継手部分内側補強片 G G G G 粗 密 粗 密 粗 密 粗 密
後端縁補強片23 cc cc cc × 同密度 同密度 同密度 ×
補強プリプレグ 25 × G × G × 密 粗 × 密 粗
25a G × × × 粗 密 × × ×
25b G × × × 粗 密 × × ×
外側補強片28 × G G G × 密 粗 密 粗 密 粗
但し、補強片の材質・G…ガラスクロス(繊成)
cc:カーボンクロス(繊成)
配列の密度・経…経方向密度
緯…緯方向密度
×…使用していない
<省略>
(以下省略)